Chapter 1 モラルハラスメントの記録「嘘つき女」
富士ご来光登山のための
下見に行った日の事を
ボイスメモから文字起こして
記録しようと思う

奴は加害者のままで障害者のまま
理解し難いこの世界で40年近く生きてきた
私の身の上に起こっていることが
モラルハラスメントと知って2年が経つ
モラハラの被害者と自覚し
洗脳から抜け出すため
どん底の暗やみからの試行錯誤
洗脳は解けている…きっと…
胸をえぐる鮮明な突然のフラッシュバックに
悩まされることはもうないからそう思う
罵られるだけの悪夢に胸が締め付けられ
飛び起きることもないからそう思う
どんな状態にいても
「自分」が在り「感情」が湧く
「意思」を持ち「行動」できるようになった
「怒り」や「憎しみ」を感じるようになり
「自分を守る」ことができるようになった
それらに「罪悪感」は沸かないから
洗脳は解けた…そう思っている
ただ当たり前に…
奴は加害者のままだ
自己愛性パーソナリティ障害者のままだ
操り人形が思いどおりに動かない
利用価値のあったゴミ箱が口答えをする
支配下の単なるモノが「自由」を叫んでいる
だから粘着的な攻撃が繰り返される
富士登山のための下見を疑う奴
洗脳されていた私にとって
遊びに出る行為は罪悪感が湧く行為で
それを告げる作業は第一の難関だった
だから今
行き先を言わずに外出できることは
解放されたようで嬉しいことの一つ
ただ奴が仕事に出た後に家を出る
堂々とじゃないのは粘着質な面倒を避けるため
お互いが行き先を言わずに外出することは
好き勝手に遊び歩く奴にとっても都合がいいはず
そう思っていた
富士山下見の前日
奴は帰宅早々何度も怒鳴っていた
「俺の洗濯物は入れたのか!」
「なめてんのかこの野郎!」
「明日から俺の洗濯物を入れろよ!」
私は上手い返しが出来ないから黙ったけど
奴の洗濯物をこれからも触ることはしない
で富士山下見当日
気分よく登りたいし集中したいから
昨日の怒鳴り声を振り払いながら
七合目まで登り
下山し終えた頃には
気持ちはすっきり洗われていた
そして16時45分に連絡を入れた
「今日ご飯の支度が間に合いません」
「わかった」と奴は電話を切った
5分後に携帯が鳴った
「お前どこ行ってんの?」
「富士山に来てます」
次の富士登山は一泊だから前置きで丁度いい
「仲間とか?」
「一人です」
「ふ~んドライブか~」
「バスです」
「おかしいんじゃないの?」
「一人で七合目まで登ってきたんです」
「ふ~んお前おかしいよ!」
「バスの中なので切りますね」
「お前おかしいんじゃないの!」
電話を切ったけど気分が悪い
せっかく気分を晴らしたのに
良い一日になるはずなのに…
また嫌な気分にさせた奴にイラつく
奴との会話を脳みそがリピートする
ドライブ?疑っている?えっ?男?まさか?
余計にそのくだらなさにイラつく
すぐにその短い会話をスマホにメモる
気分を変えたかった
隣に座った見知らぬ人と会話を楽しんで
新宿に着いた頃には気分は晴れていた
「嘘つき女」と連呼するボイスメモの文字起こし
家に着いたのは22時
奴は遊びでいないからホッとする
23時40分奴が帰ってきた
直ぐにボイスメモをONにした
間違いなく今日は攻撃してくるはずだから
「観光バスで行ったのお前」
「高速バスです」
「で七合目まで行ったのか?えっ?なあ?」
「電話で話したでしょ」
「噓つき女よ ははぁ 嘘つき女!」
「面白い 私そんな嘘つくんだ」
「へえ~嘘つき女だ」
「あなたの物差しでしゃべんないで」
「何だ?あなたって!」かぶせて怒鳴っている
「あなたの物差しでしゃべんないでください」
「あなたの物差し?俺の物差しなんてねーよ!馬鹿野郎!」
「何笑ってんだよお前!嘘つき女よ!」
「面白っ」
「面白いのはお前だよ!」
「何を基準に嘘つきって言うんでしょうか?」
「はあ?何が七合目だよ!バスなんか七合目まで行かねーんだよ!」
「歩いていくに決まってんじゃん」思わず吹き出していた
「馬鹿じゃねーの!お前!笑わせんなよ!」
怒鳴りながら奴はリビングを出て行った
「どうぞ笑ってください!たっぷり笑ってください」
私にしては上出来だ
勝敗は明らかだと思った
意地悪で幼稚な言葉のチョイスに傷つくけど(笑)
何のためにそんな嘘をつく必要があるのだろう
つくならもっとまともな嘘をつく
「噓つき女嘘つき女」と連呼する奴が
「ばーかばーかばーか」と連呼する幼い子のようで
何度聞いても吹き出す面白さだけど
何度聞いても怖い・・・心臓バックバクッ
奴は私が山に行くことを知らなかったとする
だけど
毎日2時間以上歩いていることは知っている
そのために歩いていたのかと
そこに考えが及んでもよさそうなのに…
この時点で私の考えが及んでいないのは
「私に男がいる」 と「奴が本気」で
思っているということ😱思おうとしていること?
う~ん…そう思いたいのか・・・
私に男がいたとしたら
奴にとっては好都合で得しかない
私を悪者にし立て上げられる
不倫も女遊びも風俗もすべて
私のせいにして責任から逃れて
奴は気の毒な被害者になれるのだから
気持ち悪い奴の妄想は
始まったのか始まっていたのか
疑っていたのか確信に変わったのか
どちらにしろ面白い妄想なんだけど・・・怖い…
to be continued……