「考える前に行動する」ための私のやり方

日々のこと,脱モラハラ考える前に動く

ちゃんと考え
ちゃんと計画を立て
ちゃんと実行できる人は
それでいいけど

若い私は
思い立ったら行動
不安もなくただ突き進んでいた

夢を持っていたころの
輝いていたころの
自分を好きだったころの

奴と結婚する前の
「自分」はそうだった

今の私は
その「自分」に力をもらい
勇気をもらっている

そして目標にしている

消えて居なくなった「自分」

奴が帰ってくる
玄関のチャイムが鳴った瞬間から

スッと心に蓋をし
スッと感情を消し
スッと「自分」を消す

結婚した早い段階から
意識的にそうやって
手に負えない理解し難い奴に
対応していた

自然な笑顔と
心からの感謝と称賛は必須で

奴の意のままに動き
奴に不便をかけないように
先回りして動くことで
波風を避け

それでも吹き荒れる粘着的な
難癖の嵐は
謝るしか手立てはないから

奴の気の済むまで謝った

意識的に
消していたはずの「自分」が

いつしか
完全に消えて居なくなれば
居なくなったことにも気がつかない

奴に都合のいい「私」は
奴に都合のいい「感情」を作る

奴のために私は生きる
それ以外は罪悪だったから

奴の理想の人生を私が実現する
それが私の人生の課題だとか

そんな異常な主従関係も
そんな異常な私の心理状態も

日々続けばそれが普通

だから
難病を発病したことすら
自分のせいで

入院できているのも
奴が働いてくれているおかげで

奴に不便をかけ
申し訳ないとか思う始末で

心まで病んでいる
とは微塵も思っていない

だけどそのうち…

私の中には何もない
底知れない空っぽの暗闇しかない

「自分」が何か分からない

湧いてくる「感情」がない

と感じていたのは事実で…

それが何なのか知ったところで
どうすることも出来ないから

苦しむだけなのが分かるから
見ようとはしなかったけど

感じていたのは事実で…

思い出すだけでゾッとする

暗闇から救い上げた「自分」が目標

洗脳が解け
暗闇から救い上げた「自分」に
期待した

「私」をどうにかしたかった
楽になりたかった

輝いていたころの「自分」からは
ずーとずーと
随分と遠い場所で

「私」は変わらず動けないでいる

呆然としながら立ちすくんだまま
前に進まなければと焦っている

情けない「私」を責めている
取り返しのつかない過去を
悔いている

そんな「私」をまた責めている

楽になりたかった

暗闇の底のほうから
すっかり忘れ去られていた「自分」が
ぼやけたまま姿を現し

時間はかかったけど
終いには
はっきりと彩りある姿を見せれば

「私」もくっきり彩られていた

幸せとか不幸せとか考える必要もなく

ただやりたいことに向かって
突っ走っていたころの「自分」が

今の私の力になっている

今の私の目標になっている

「考える前に動く」ための私のやり方

「明日山に登ろう」
思い立った次の日に山に向かう

何日も前から
計画を立て実行するのが
苦手なのは

計画を立てているうちに

あれやこれやと不安になって
緊張して疲れてくるからで

疲れてくれば自信もなくなって
面倒になって動けなくなるから

だけど

緊張も不安もめんどくささも
置き去りにできる唯一の方法は

突っ走ることだと
教えてくれるのは若いころの「自分」

だから
私の山登りは前日の夜に決まる

登山ルートの地図のダウンロードと
持ち物の準備だけで
何も考えない

とは言え

睡眠を上手く取れない私は
少しでも寝たい思いと
一睡も出来ないかもしれない不安で
ベッドに入ると緊張してくるのが分かるから

私はそんな私をなだめる

「とりあえず登山口まででもOK」
「とりあえず下見」
「それだったら余裕でしょ」

そんな気楽なことを言い聞かせ

一歩を踏み出したときの感動と
無心で登る
しんどさと心地よさを思う

それ以外は考えない

睡眠障害で管理できない体調とか
緊張とか不安に思う気持ちとか
無視する…

だけど
もちろん

特に初めての山は
思い立ったからといって
何も計画を立てずに登ることはできない

私の得意な
「行き当たりばったり何とかなる」
は通用しない

電車を乗り継いで
一日数回運行のバスに
乗らなければいけなかったりの

登山口までの
アクセスやら運行時間やら
乗車時間やら到着時間やら

レベルに合った登山ルートを決めたり
下山までの所要時間をある程度見積り

往路と違う復路の
アクセスやら運行時間やらの
知識は必須

とても苦手な
めんどくさい作業が必須

だから
日帰り可能な登れる山を

前もって
楽しみながら気軽な気持ちで
他人事のように

間違っても気合いは入れずに

だけど
「入念に」調べておく

「いつかは登ろう」
「この山も登れるな」
「今度はここに登ろうかな」

「夏は山小屋に泊まってみたい」
「満天の星を見上げたい」
「沈む太陽と昇る太陽を眺めたい」

「奴に遠慮する必要はないよ」

そんなふうに

楽しみながら気軽な気持ちで
リアリティなく

間違っても気合いは入れずに

だけど
「入念に」調べておくのは

憧れている山を歩くため
憧れだけで終わらせないため

緊張と不安を無視して
めんどくさいと思う感情を飛び越えて

突っ走るため

ソロ登山がいいのもそのため

前日の夜の決定もそのため

何も考えないため

「考える前に動く」ための私のやり方