3歩進んで2歩下がる前進、1歩進んで2歩下がる私の前進
手放したくなる現実
被害者は加害者から
″逃げる″ことが
いちばんの選択肢で
唯一の選択肢
という実感を伴った理解は
もう嫌だ!ってのと
ここから逃げ出したい!ってのと
心に正直に!ってのと
感情のおもむくままに!ってのと
奴と離婚したい!ってのと
同じ意味になって
浪費した途方もない年月が
脳裏を流れていく
それは誰かの時間で
間違いなく誰かの人生で
愕然と震えるから
しがみついている現実を
あっけなく手放したくなる
下がった2歩は確かな歩み
ずっと止まっていた
時間が動き出し
わたしの″続き″が始まった
何十年の時を超え
今という
未来に解き放たれたときには
実年齢には程遠い
不安定な
情緒と感傷を抱えた精神年齢を
不確かな
社会通念で覆い隠す
とりあえず
歩いて
とりあえず
ささやかな幸せを探して
悪くない一進一退
三歩進んで二歩下がるのは
前進で
だけど
現実は
一歩進んで二歩下がる
一喜一憂
陰々滅々
きっと
いつまでも前には進めない
ということだろうか…

一歩進んだ
そして二歩戻った
また
一歩進めばいい
一歩進んで二歩下がる
下がった二歩は
″わたし″の確かな歩み
動いていればいい
いつかその二歩が
繋がって意味を持つから
動いていればいい
わたしの″続き″が始まっている
ありのままの現実
悪人でありながら善人を装い
善を容赦なく犠牲にしていることに
気づかず生きている悪
″逃げる″
ことが最善の策
という実感を伴った理解は
もう嫌だ!ってのと
ここから逃げ出したい!ってのと
心に正直に!ってのと
奴と離婚したい!ってのと
現実を見る!ってのと
アンビバレンスな心理になって
浪費した途方もない年月が
脳裏を流れるけど
それは誰かの犠牲で
間違いなく誰かの人生でしかなく
愕然と震えるから
しがみついている現実を
あっけなく手放したくなる
その手を
しっかりと握り
姿勢を正して
気持ちをつなぎとめる
sadエンディングじゃなければそれでいい
吹き溜まって
澱んでいた時間はゆっくり流れ始め
溶けて沈んでいた意識が
暗い巣窟から静かに溢れ出す
わたしの″続き″が始まっている
一歩進んで二歩下がる
興奮も憂鬱も
タイムラグが存在する
他人事のように受け止め
ころころ移り変わる
ありのままの心を頭で見つめれば
浮くことなく沈むことなく
振れ幅少なく歩んでいける
穏やかに淡々と一歩づつ
わたしのラスボスは
きっと私自身で
闘うよりも共存で
最後に笑っていられたら
とか
身に余る望みは身の程知らずのようで
身の丈に合った
happyエンディングの話がいいけれど
少なくとも結末は
sadエンディングじゃなければ
それでいい
とも思う
だけど
ささやかな
それすら
損得でここに留まる
今の私には
虫のいい話に思えたりもする
とりあえず
今日の私はこのままで
楽しくないこじつけをどうするかは
明日の私に任せようと思う