モラハラ主従関係、心に蓋をし感情を消す妻

刻まれた記憶モラハラ主従関係

天ぷら事件を最後に喧嘩が無い夫婦になった。

反論も意見も希望も質問もしない。
涙を流すこと自体が攻撃の対象になるから、理不尽に虐められても普通でいる。
怒鳴られても、説教されても、納得うんぬんより、とにかく謝る。
そして反省している“振り”をする。
怒鳴り散らされた直後の会話も顔も、とにかく普通でいる。

まるでモノのようだ。

冬より夏のほうが不機嫌で当たり散らす。
“暑い”というストレスを全て私にぶつけて解消する。

疲れも、理由もないイライラも、全て私のせい、
かのように当たり散らすことで解消する。

足音が聞こえる、緊張の時間が始まる

玄関チャイムが鳴った瞬間から私の仕事が始まる。

スッと心に蓋をする。スッと感情を消すと、
私はお手伝いさんモードに切り替わる。

ドアを開け、過剰でない笑顔で「お帰りなさい、お疲れ様」と声をかける。
瞬時に顔色をうかがうのは、怒鳴られたくないという思いから。

夫は、「ただいま」の代わりに大きなため息を何度も吐く。
そして玄関を入る夫の顔は、いつも険しい。

「俺はお前たちを養うために働いている。こんなに疲れるまで働いている。」
言わなくとも、それは溢れているから気を遣うのも私の仕事。

家の中で夫が腰を上げるのは、お風呂とトイレだけ。

後は私の仕事。ご主人からの命令は「はい。」と直ぐに従う。
それ以外の返事が不正解なのも、直ぐに従わないと怒鳴られることも学習している。

子供が生まれてから、夜は一緒に寝ない。
生活のリズムを夫に合わせないで済むから、夫が寝るまでの辛抱だ。

それも夫のイライラの原因になったりもするようで、
「こんなの離婚の理由になるんだからな!」と怒鳴る。

“離婚”で脅しているつもりだろうか?
私は馬鹿馬鹿しくて、あきれて、下を向いている。

「お前はちっともかわいくねーな、
子どもが居たら他は何も要らないってにじみ出てんだよ!」と怒鳴る。

それは当たっている!から私は下を向いて黙っている。

心に蓋をし感情を殺していると、腹も立たない。悔しくもない。

寝るまでの辛抱だが、夫が家にいる間は油断できない。
ホッとする時間は無い、私の仕事。

ルル
ルル
スッと心に蓋をして、スッと感情を消す。自分を守る術…
キキ
キキ
我慢強さは無限じゃない、その精神力もいつかはペシャンコに潰される!

夫の着替えは、私の緊張の頂点

朝、夫が着替えを始める。
私の緊張は頂点に達している。

着ていく作業着の不備があると、物凄い勢いで怒鳴り散らす。
仕事に出る前ということで、朝の不備は怒りが倍増されるようだ。

責め立てる立派な理由があるから、
夫は、私の落ち度を注意で終わらせるつもりはさらさらない。

落ち度のあった私は、心から謝るしかない。
夫は、この時とばかりに、気が済むまで怒鳴り散らせるのだ。

「ボタンもまともにつけられないのか!」
「作業着はサラリーマンのスーツと一緒なんだよ!」
「この不備一つで大事故につながったらどうするつもりだ!」

言っていることは間違いない。だから心から謝る。
朝の時間は限られている、のが私の救いだった。

そして、私は不備がないかの確認作業を一段と念入りにする。
条件反射で夫の形相と怒鳴り声が聞こえてくるから、何度も何度も確認する。

夫婦の見送りの習慣と私の見送りの習慣

「行ってらっしゃい」「行ってきます」の後に軽いキスをする。
夫は「愛しているよ。」と言う。

それは、下の子が1歳ぐらいまで続いた朝の見送りの習慣。
どんなに怒鳴り散らした後でも、普通にする。普通に言う。

“屈辱”以外の何ものでもない。

「行ってらっしゃい、気を付けてね」

「俺たちみたいに仲の良い夫婦はいないよなあ。」

えっ?と思いながら、、、うっすら苦笑いした。

「どこを探したってこんな仲の良い夫婦は居ねーぞ。」

夫はご満悦だ。機嫌よく仕事に出て行った。

ドアがバタンと閉まる。鍵をかける。

ドアに向かって手を合わせ、
「事故って死にますように。」小さく声に出して祈る。

誰も知らない、私の朝の見送りの習慣。

家を出て5分が過ぎるまでは油断できない、緊張したまま。
不備が見つかり引き返すとしたら5分以内だから。

これで私の朝の仕事は終わり。私が解放される時間だ。

ルル
ルル
私の見送り、文字にすると怖い!サラッと言ってたわ(笑)始まりも終わりも思い出せない。
キキ
キキ
習慣だから(笑)尊厳も人権も無視!モラハラの世界!!

頭に刻まれた“離婚”の二文字

毎日のように怒鳴られ、当たり散らされ、口答えも、意見も質問も許されず、
モノのように、サウンドバッグのように、ゴミ箱のように、
奴隷のように扱われている私に向かって言った、

「俺たちみたいに仲の良い夫婦は居ないよなあ。」

耳の奥のほうで、何度もこだましている。
玄関の靴を並べ替えながら“離婚”の二文字が頭に浮かんだ。

同時に子どもたちのことを考えた。
下の子よりも上の二人の子を気の毒に思う。

親が離婚して、再婚して、若い私が母親となったと思えば、また離婚。
そこに子どもの権限は何も無い、大人の都合だけでそうなる……

親になった私の責任は……

上の二人の子が成人するまでは、ここに居よう。

それで親になった責任を果たし終える。ような気がした。

長男が成人する頃は、一番下が小学3年か4年、手が掛からない、どうにでもなる。
期間限定だったら居られる!あと9年!私はやれる!!

真っ暗なトンネルの中、ずっと先のほうに微かな光が見えた。

ルル
ルル
親になった責任…放り出せないよ。やり切っていない…
キキ
キキ
モラ夫はその責任感も自分の為だけに利用する!