“誰もが持っている”と頑なに信じたモラル。- モラ夫の“嘘”を考える –
嘘をつかないということ
小さい頃、4歳か5歳、、母と歩いている。私の背丈ぐらいの木の前に立ち止まり、母が木の実を探してくれた。ブルーベリーの実のような記憶がある。1個だけ残っていた実を見つけた母は言う。
「あなたがいい子だから神様が見てて、1個だけ残して置いてくれたんだね。神様はちゃんと見ているんだよ。」
嬉しかった。それから人が見ていなくてもズルいことをしないように、しないように。。。神様が見ているって知ったから。
小さな嘘もズルさも胸がチクりとする。ドキドキする。
上手く嘘をついて騙せても、嘘をついたことを自分は知っている。
“ 神様が見ている”って、“自分が見ている”って事なのかも知れない。高校生の時には、そう解釈するようになる。
だから夫に怒られると分かっていても正直に言う。
反対されると分かっていても内緒で何かをやることも出来ない。
私の中に、嘘をつくという選択肢はなかった。
娘の為には夫に嘘もついたし内緒にもしたことはあるが、自分の為にはそれが出来ない。
息をするように嘘をつく夫
最近思う。
不倫をしながら、家では普通にしていられる夫を見て思う。
毎日、平然と、息をするように嘘をつける夫を見て思う。
嘘に嘘を重ねて、平気で生きていける人。
妻にバレるとかバレないとかは関係ない。バレてもシラををつき通せる人なのも分かる。信じなきゃ信じないでいいよ、と開き直れる人なのも分かる。全てを私のせいにしているのも分かる。
でも自分がやっていることは自分が一番知っている、自分に嘘はつけないと思っていた。が、
夫は違う。私のせいなのも本当で、私のせいで外で遊んでいるだけ。
不倫はするはずがない、俺はそんな男じゃない、も本当なんだろう。
夫は被害者なのだ。そして優しくない妻に腹も立てず、家庭では普通に過ごす寛大な俺!と思っている。
この人は私にだけじゃない、自分にも嘘をつくのじゃないかと思う。
その嘘を自分自身が信じる。
そうすると、その嘘が本当になる。
だから罪悪感もなく平然と嘘をつけるのだろう。
夫にしたら“嘘”じゃない、“本当”なのだから。
[balloon_right img="https://kikiruru.com/wp-content/uploads/2019/11/38-60px.png" caption="ルル"]普遍的なモラルはあるって…誰もが持っているって思ってた。。。[/balloon_right]
[balloon_left img="https://kikiruru.com/wp-content/uploads/2019/11/01-60px.png" caption="キキ"]自分のためにはいくらでも嘘をつく!何の“得”にもならない罪悪感を感じないやり方で!![/balloon_left]
過去も事実も都合に合わせて変える
夫の両親と夫の関係、過去の歴史はその場その場で変わっていく。そこを指摘することを私はしない。その時はそれが“本当”なのだから。
“嘘”も“事実”にできる人。“事実”を“嘘”にもできる人。“事実”を“無かったこと”にもできる人。
それを指摘すると「話を作るな!俺がそう言ってるんだからそうなんだよ!」と私が嘘つき呼ばわりされてしまう。
“白”いものでも俺が“黒”って言ったら“黒”なんだ。と平気で言う。
その時それは、夫にとっては“黒”なのだから私が嘘つきになるのだ。
“黒”になったり“白”になったり。
気分次第で変わるから、私は黙るしか無い。
夫が過去にあった遠い親戚のお葬式の時のことを話題にした。
「泊まった家のあの部屋が○○○だったよな?」なんちゃらかんちゃら言っている。
「私、泊まっていないよ。」と答える。
「何言ってんの!お前、泊まっただろ!」
「私、泊まっていないよ。」と答える。
「はあ?てめーが忘れているだけだろうが!お前は居たよ!お前は泊ったんだよ!」と怒鳴り始めた。次の日も夫の隣にずっと居たらしい。
私はそれ以上主張しなかった。
実際に泊まっていたら、忘れていても思い出す。私の記憶は皆無なのに「泊まった」と、断言する夫。
言った言わないの話じゃない、レベルアップしているし。。
怒鳴り声を聞きながら、あまりにも馬鹿馬鹿しくて、面白すぎて腹も立たない。
後日、親戚に会ったら聞けばいいや。二人だけのことじゃないから“事実”は、はっきりさせられるし、楽しみだわ!
親戚と食事をしながら、「あのお葬式の時、私泊まっていないよね?何でだろう?」 と、さりげなく話題にした。
「 泊まってないよ。下の 娘が高熱を出したんだよ。」とはっきり理由まで言ってくれた。
「おかしいな、お前は居たんだけどな。泊まってたんだけどな。」と、まだ言っている。
怒鳴ったことを謝る“潔さ”どころか、事実を認める“潔さ”も無い。
思い違いは誰にでもあること、それを私は責めることは無いのに。
自分の思い違いかも知れないと、思う前に自分で信じ込む。そして、私に勝つ。
モラ夫は“事実”よりも“勝つ”ことが大事なことなんだろう。後のことはどうにでもなる。事実を捻じ曲げるのは大得意としているから。今はとにかく勝てばいい。
探し物があると「お前、あれどこにやったんだ?」から始める。
その声はもう私を責めている。
また始まった、あなたでしょ!と言葉にせず、「私知らないよ」とだけ答える。
「俺が知らないんだからお前だろうが!」と、怒鳴る。
だからいつも探すふりをする。
そして夫が探し出す。
すると私のせいにしたまま、怒鳴ったことは無かったことになる。
[balloon_right img="https://kikiruru.com/wp-content/uploads/2019/11/38-60px.png" caption="ルル"]「俺が言ったことでも、俺が言ってないって言ったら、言ってないことになるんだ!」って説教されたことあったわ、開いた口が塞がんないよね(笑)[/balloon_right]
[balloon_left img="https://kikiruru.com/wp-content/uploads/2019/11/01-60px.png" caption="キキ"]モラ夫は本気!支離滅裂な思考(笑)すごい才能!![/balloon_left]
これから夫に限っては嘘をつこうと思う
“嘘は良くない”とか”事実は大事”とか、多かれ少なかれ誰もが持っているモラルと思っていた。が、モラ夫はそれが全く無い。
モラ夫は、“嘘”を“本当”にするから、 “嘘”はついていない。 そして“勝ち”が大事なのだ。そういう価値観だ。それはそれでいい。
私はこれからも、嘘をつかない正直な自分でいたいと思う。でも、
モラ夫に限ってはそれを止める。必要があったら嘘もつこうと思う。内緒でやることはやろうと思う。